硫化物系全固体電池製造ラインの硫化水素ガス対策

導入事例

導入先:電池メーカー(全固体電池製造部門)
導入製品:コロシューター/低濃度硫化水素濃度計

背景・課題

全固体電池の製造ラインで、硫化物系電解質を扱う工程における硫化水素(H₂S)の発生リスクが課題として浮上しお声かけ頂きました。

硫化物系電解質は微量の水分と接触するだけでH₂Sを発生するため、ドライルーム内での製造中はもちろん、設備開放時や廃棄・破砕工程においても突発的なガスの発生が懸念されます。

硫化水素は極めて毒性が高く、低濃度でも嗅覚を麻痺させるため、作業員が異常を認識できないまま被ばくするリスクがあります。また、設備や基板への腐食ダメージも深刻であり、安全管理と設備保全の両面から早急な対策が求められていました。


導入内容

弊社では現地調査とガス発生リスク評価を実施したうえで、「除去」と「監視」を組み合わせた二段構えの対策をご提案・導入しました。

① コロシューターによるガス除去

ドライルームの排気ライン・廃棄破砕工程ライン・密閉設備のベントラインに、硫化水素を化学的に分解・無害化するガス処理装置「コロシューター」を設置。発生源の直近で処理することで、H₂Sの拡散そのものを防止する構成としました。製造ラインを止めることなく連続運転が可能なため、稼働スケジュールへの影響もありませんでした。

② 低濃度硫化水素濃度計による常時監視

ドライルーム内および作業エリアにppbレベルから検知可能な低濃度H₂S濃度計を設置し、24時間の常時監視体制を構築しました。異常検知時はアラートが発報される仕組みとし、データロギングによる濃度推移の記録・分析も併せて運用しています。


導入後の効果

観点導入前導入後
ガス検知人が気づいた時点で対応ppbレベルで即時アラート
ガス処理発生後に換気・退避自動除去・拡散防止
データ活用記録なし傾向分析・改善サイクルに活用
作業員の安全リスクが可視化されていない常時監視により労災リスクを低減
設備への影響腐食トラブルが散発腐食起因の設備停止を抑制

従来の「発生してから対応する」事後対応型から、データと自動処理による予防型の安全管理へと転換することができました。また、排気処理前後の濃度データを継続的に取得できるようになったことで、除去性能の維持管理にも活用いただいています。

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